富山マラソン2015

スタートしてすぐ,若干道が狭くなり走りにくい.
だが街並み,応援は素晴らしい.
応援というか大歓声じゃないか,なんじゃこりゃ.

2,3kmで妻達が応援しているはずだったが,なぜかいない‼︎
後から聞いたらわずかに間に合わなかったらしい.
まぁ子供2人いたらそんなもんだ.
気を取り直してポクポク進む.
最初は6分20秒くらいだったペースも徐々に5分30秒くらいに.

折り返し地点,フリーザ様とピッコロさんに抜かれる.
素晴らしい仮装,しかも速い.
後からTVで確認したらフリーザ様はサブ4,ピッコロさんは自分のちょっと前だったようだ.
他にも上半身裸のライオンキングには笑ってしまった.
やたら叫ぶおばちゃんがいると思ったら有森裕子さん.
びっくりしてハイタッチ.

街をでて川沿いのところでマヨネーズさんと走る.
ちょうどいいペース.
そしてなんとマラソンジャンキーの著者,小野裕史さんに追いつく.
リコーダー吹きながら大根のコスプレで走る小野さん…すごい‼︎
合いの手入れながらしばらくその集団(4時間30分のペーサーと走っていた)で走ったが,ちょっと遅かったので小野さんは面白かったけど先を急ぐ.

全体的にかなり暑く,ちょっと気持ち悪い.
例によってあまり給水とらない作戦でいって,最初にとったのは確か10km超えてから.
今回はもう少し取ったほうが良かったかもしれない.

トイレもやはり,朝何回行ってもスタートすると行きたくなってしまうが,いつだったか…川の前か?10kmから20kmの間で1回行った.
30mほどコースから離れていたが,待ちゼロで助かった.
ちなみにこのときトイレ行って以来,19時ぐらいまでトイレ行かず.

川と橋の間ではまたたくさん山車がでていて,気合いが入る.
腰が少し曲がったじいさんランナーが山車へ向かって走って行ったと思ったら,右へ左へ体を揺らしながら祭りの人を盛り上げていた.
いいぞ,じいさん.
つーか速い上にすごいな,じいさん.

新湊大橋前, やたら叫ぶ人がいるなぁと思ったらまた有森さん.
がっつりハイタッチ.
その後ももう1回会えたが,同じ人が何度も出てくるのがおかしい.
とにかく元気を貰う.

その前だったか?
白えびの天むすエイド.
食欲なかったけど,これは食べるでしょう.
おいしかった.

レースを通して補給は,鱒鮨などはずせないものは食べたが,パンやバナナなどは一切食べず.
というか食べられなかった(気持ち悪くて).

そして念願の橋.
これを走りたかったので,これまでの日々も含めてついにここまで来たか,と夢のよう.
登りが長い長い…長すぎて笑ってしまった.
予想通り素晴らしい景色.
結構止まって写真撮ってる人も多い.

下り終えてからどっと疲れる.
そして自分はやはり20km台が一番つらい.
30km台は体はつらくても残りあとちょっとという気がするが,20km台はつらいわ長いわで「この趣味,間違いじゃね?」と思い始める.

淡々と農道を行くので,今までの派手な区間に比べると単調.
それでも応援は多く,つらいときほど「ありがとうございます」とお礼を言うことで楽になった.
馬もいた.
都道府県ののぼりも感動した.

ただどうにも気持ち悪い.
吐かずに最後まで行けるのか?という,バス酔いの子供みたいな心配をする.
給水はほとんど全部取り,水は頭にかける.
11度だったらしいが,ほんとか?というほど暑かった.
日差しが強かったからかもしれない.

ようやく30km過ぎて,あと10kmちょいなんて残念だと本当に思い始める.
そのあたりだったか,両ひざの上の,やや内側の筋肉の始まりみたいな箇所が,親指でグーッと押されるように痙攣し出した.
そしてふくらはぎもピクピク.
これはまずい,と思ったら,ちょうどコールドスプレーをかけてくれるエイド発見.
このエイドはコース中1か所だけだったから,場所的に大変ラッキー.
がっつりその辺にかけてもらって,止まったせいかもしれないけど復活.

段々街中に入ってくる.
サブ4はとうに無理だが,4時間15分はいけるか?と微妙だった.
どうも自分のペースはキロ6:10ぐらいで,気合い入れてもキロ6ぐらい.
残り5kmの時点で大体3時間45分くらい,ちょと無理かもしれないがとにかく行こうと思った矢先に,左のハムストリングスを盛大につる.
ピキーンってきて完全に止まってしまい,しばらく歩くこともできず.
ここで15分切りも諦めるしかなかった.
4時間半も大丈夫か?というほど.

ゆっくり歩きだして,何とかこれまでのとぼとぼペースに戻る.
完全に街に帰ってきて応援も多く,精神的には助かる.
富山城の付近まで来て,春に試走したところまできてほっとする.
4時間15分目標だと,残り15分であと3km…キロ5て10km走のベストやん,と失笑する.

とここで,後ろが騒がしい.
なんだ?と思った瞬間,金さん登場!
びっくりしてそのまま着いていく.
脚が動く.
しかもまったく痛くない.
さっきまでキロ6で限界だとか言ってたくせに,驚きのキロ5で走ってる.
体のどこも痛くない,ヤマケンじゃないけどマリオのスター状態.

金さんはカメラに向かって「ここが一番きつい.なんでマラソンは40kmじゃないんだと思う箇所だ」と言って,「グロスは無理だけどネットでサブ4の人はいるんじゃない?」と関係者?に言っていた.
ネットでもサブ4は(多分皆)無理だが,完全に諦めた4時間15分が見えてきてしまった.
金さんが周りに「いくぞー!」みたいな気合いを入れてくれたので,皆で「おー!」と答える.
いやー,楽しい.

死んでいたランナーたちが金さんが後ろから来ると驚いたり,復活したりして面白い.
しかし自分の現金な脳は状況を冷静に判断してしまい,このままキロ5で行けるわけないだろ?と命令し始める.

ガード下をくぐったあたりから金さんから遅れ始めてしまう.
もう本当にきつい.
脚はいつ攣ってもおかしくなく,心肺は限界.
ただここでペースを落としたら止まるしかない,とにかく耐えて早いとこゴールしちまおうと思った.

駅から環水公園にかけて応援も多かったはずなのに,残念なことに見えてもいないし覚えてもいない.
ようやく後1km,後にも先にも引けず,ひたすらきつい.
4時間12分30秒ぐらいで時計を見た記憶がある.
15分切りは無理な気がする,つーか仮に15分ぎりぎりだとしてあと2分半も走るのかと絶望的な気分になったことだけ覚えている.

あと数十秒で15分というところで,42km.
15分無理でしたか,そりゃそうですねと思って左にカーブしたらゴールが見えてきた.
吐かずに済んでほっとした.

4時間15分25秒でゴール.
ゴールしてしばらく動けず.
25秒が悔しかったが,金さんのおかげで精根尽き果てるまで追い込むことができた.
悔しいといえば,キロ6で限界だと思い込ませていた自分の脳.
精神的に弱かったのが悔しい.

金さんはゴールしてランスマのカイ君とリポートしていた.
メダルやタオルをかけてもらい(なんかどの子もかわいかった気がする),動かぬ脚で荷物を受け取り,妻に連絡して更衣室へ.
バンバン脚が攣って悶絶しながら着替える.

腹は減ってなかったので,スタバへ行ってみる.
レジは行列だったが席は空いていて,ゴール直前のランナーも見れる.
コーヒー飲んで至福の時.

妻より駅からライトレール乗って指定の駅まで来いとの連絡ある.
長男がどうしても電話したいとかでいきなり出てきて「パパゴールおめでとう.かっこよかったよ.見てなかったけどね」という謎のコメントを貰う.
やや後ろ髪をひかれながら退店.
少しだけランナーを応援したく,沿道で観戦.
お,ライオンキングさんがいるじゃないか…

いつまでも見ていたいがそうもいかないので駅へ.
粟島まで行って家族と合流し,富山の家へ.
なんとTVでまだゴールを放送している.
7時間生中継らしい.
お風呂入れてもらい,幸せ感にひたる.

あれだけつらかったけど,早くも楽しい思い出に変わる.
景色,運営,ボランティア,沿道の応援などどれも素晴らしく,第1回とは思えない完成された大会だった.
自分の記録は満足とも不満足とも言い難いが,限界まで走り切れたのは良かった.
自己ベストも一応47分更新したし…

というか,怪我や体調不良などなく走り切れたことがまず良かった.
マラソン2回目にしてようやく「走り切れた」気がする.
今回は皆の応援,サポートもあり,死んでもリタイアはできんと思っていたので,逆に今思えばちょっと緊張していたが,終わってみればすべてがうまくハマり,最高に楽しく,つらく,気持ちの良い大会となった.
ボランティアや沿道の方には本当に感謝したい.
仮装もいいよな…とか思い始める.

妻が仕事復帰したりするとまた難易度上がってしまうが,来年もぜひ出たい.