箱根外輪山

やはりちょっと興奮なのかなんなのかぐっすり眠れなかったけど,目覚まし前に3時50分に起きた.
計画的に支度して,5時に家出て始発で箱根へ.
さっそくAさん,Eさんと合流.

新幹線で小田原へ.
15分しか乗らないのね…
6:44に箱根湯本ついて,自分は今回着替えも何もなかったけど着替える人は着替えてるうちにSさん到着.
おにぎり1つ補給.

駅には自分たち以外に「外輪山1周します!」な人たちが他3組くらい?
やっぱ結構いるんだなぁ,という印象.
うち1組とトイレ待ってる間に談笑.
自分と靴下が一緒だった.
つーか大体もう格好が皆Answer4と山と道とELDORESOとMMAと…って感じ.

車のMさんはちょい遅れるというので先にゆっくり歩きだす.
7:15くらいだったかなぁ.

阿弥陀寺へ向かって歩く.
Mさんが走ってきて合流.
全然前回3年半前の記憶がないけど,こんなクネクネ登るんだっけ.

寺の脇からトレイルへ入る道はよく覚えてる.
しかしこの道はワイルド.
どうしても大股でパワーを使ってしまう.

一旦ロードに出てまたわしわし登る.
天気は曇りでたまに雨.
それでも暑いけど,かんかん照りじゃなくて良かった.
景色は残念だけど.
しかし風が強い気がする.

ほとんど誰にも会わない.
朝駅で見た1組が明星ヶ岳で休憩していて抜きつ抜かれつ,くらい.

そうそう,途中結構下るんだよな…
登るなら下るなよ,というのを思い出した.

周りに藪がなくなるとやっぱり風が強い.
これも前回と一緒,稜線でそうなるとスマホ持つのもためらうくらい風が強い.

明神ヶ岳で軽く補給しよう…と思うも風が強くて無理なのも同じ.
藪に隠れてカレーパン半分補給.

その後,何もないところでSさんが軽く転倒.
どうも風に煽られたっぽい.
大丈夫ー?とか言って再開してすぐ後ろが騒がしいと思ったらEさんの顔が泥まみれになっている.
そしてなぜか外国人がいる.
謎の光景にパニック.

とりあえずEさんも転んで顔面から地面にいったらしい.
それまで誰もいなかったのにちょうど外国人が通りかかったらしい.
バンテージあるけどいる!?と優しかった.
結構顔がお岩さん状態のEさん.
とりあえず風が弱いところまで行こう…ってなかなかない.
なんとか処置して,金時山行って進退含めて考えよう,ということに.

しかしまー,きつい.
前回むしろよく1人で,かつ山2回目で金時山まで行ったな!と思うくらい.
できるだけ体力使わずに行きたいだなんて,無理.
体力しか使ってない.

とはいえ気持ちいい稜線は健在.
完全には無理だけど,たまに雲がなくなると景色が素晴らしい.

金時山頂までのラスボス,300mくらいを一気に上がってようやく山頂.
いやほんときつかった.
自分のガーミンだと前回13kmくらいなんだけど,今回なぜか17kmもあった.
なぜだ.
そしてこの状態であと33kmも行けるのか?という不安がどうしてもある…

とりあえず茶屋で休憩.
前回天龍源一郎にしか見えなかった方が茶屋の有名おばちゃん?
今回もお菓子くれたりとても優しかった.
コーラとお茶をとりあえず買い,しめじ汁も買った.
カレーパンも食べきった.
1.3リットル入れたお茶は1リットルくらい飲んでいたのでハイドレに補給.
コーラも半分飲んであとは仕方なくスポドリが少し残っていたソフトフラスクに混ぜてしまった.

写真撮ったり遊んでからスタート.
ちなみに山頂は風強いし寒い.
あとあとしみじみ実感することになるけど,今回ファイントラックを下に着てきて本当に正解だった.
決して上半身がさらさら~ということはないんだけど,Answer4のTシャツを手で触るとびっちょびちょ.
え,こんなびちょびちょだったの?て驚くくらい,それがお腹には伝わってなかった.

ついでにモンベルのグローブも大正解.
あれをしてると木とか岩とか躊躇なく触れる.
ので,急な登りや下りで脚だけに頼らず進むことができたと思う.

さて転んだEさんも大丈夫そう.
茶屋でコーラを珍しく一気飲みしてお腹を下したSさんが苦労しつつ,乙女峠へ.
展望台はもちろん真っ白.
前回リタイアした場所を越えて,いよいよ未知の領域へ.

そういえば自衛隊の演習音が結構聞こえる.
これ前回もそうだったけど,雷に聞こえる.
今回Mさんに教えてもらってあーそうかと思ったけど,知らなかったらびびる.

茶屋でしっかり休んだおかげで意外と脚は残ってる.
けど時間が押し気味.
分かってたけど.
Garminの到着予定が20時とか21時とか出てやがる.

富士見台を越えた先の綺麗なトイレで休憩.
悩んだけどこの後レストハウス行くまで高尾山くらい登る,というのでお茶を買って補給.
しかしやっぱりハイドレーションパックだとこういうときめんどい.
朝会って話したグループと合流,どうも体調不良のようだ.

で,ここからがほんときつかった.
三国山,でいいのか.
登りの脚は結構使い切ってるし,メンタル的にも「金時山までがきつい」となんとなく聞いていたので,こんなきついのがここに来るのか!みたいな.
おまけにそれでもまだ半分かよ!というのもある.

と思いつつも,全体的には楽しく移動.
距離が長いせいか道の様子も結構コロコロ変わって面白い.
ゲームでいろんなステージがあるような感じ.

登りながら腹が減ってきたのでクリームパン2つ?3つ?補給.
そういや雨のせいか虫は少なかったけど,道を覆う藪は結構多かった.
そういうときも多少グローブは役に立った.
あとはもう前の人にくっついて勢いで突き進むのみ.

途中倒木もいくつかあり.
完全に道をふさいでて這いつくばるようなときもあった.

しかしなかなかレストハウスが遠い.
この辺は雨でぐちょぐちょの路面が多かった気がする.
あと丸太階段の下りが滑って怖い.
無駄に前ももを使ってしまう.
けどやっぱり登りのほうがつらいけど.

途中背中のお茶がなくなった.
まだフラスクにはコーラもどきがあるからいいけど,やっぱり量が分からないというのは怖い.

30kmくらいでようやくレストハウス到着.
着いたのはいいけど,腰をおろしていいのか?
もう16時なんだけど.
普通に休憩したらゴールが21時を余裕で超えそう.
一方で休まないと進めない.

まぁあまり深く考えず普通に休憩.
焼きおにぎり2つとオレンジジュースを飲む.
持ってたランチパックもここで食べた.
振り返ってみれば補給はおにぎり2つと予備のようかん3本くらいあれば十分だな.
あとは店で買える.

喉が渇いて仕方がなく,水もいっぱい貰う.
補給用の水も1リットルくらい頂いた.
ここの店員さんも本当に親切でありがたい.

ほんとにナイトトレイルランできるのか?という思いのまま,まぁ行ってみようと寒々しい風景の中,スタート.
寒くはない,っていうかほんと永遠に汗をかき続けてはたまに冷える,を繰り返したので,ドライレイヤーはマジで必須だった.

道の駅箱根峠を越えて,え,ここ入るの,というなんか真っ暗な藪の中へIN.
そのうち大きな石が敷き詰められた下り…ってここめっちゃ滑る!
100パーセント氷の道.
北海道と青森出身の2人は雪道に慣れてるせいかわりとスイスイ.
それ以外は時速1kmくらいに減速して体力も使うやばいセクション.
Eさんは滑るというより全石が外反母趾にHitするそうで悶絶していた.
まじやばかった…
敵の侵入を防ぐために作られた道なのか?
だったら許す.

しばらくしてロードへ.
ようやく箱根駅伝ゴールに来た.
もう17時半だけど.

体力的には,意外とまだ余裕はある.
けど急げる気はしないけど.
皆さんもまだ元気で,時間は気になるけどやめる気はなし.
ナイトトレイルの覚悟を決めて,進むことに.

去年乗った遊覧船を尻目にロードを行く…ってSさんのロードが速すぎてまったくついていけず!
ここにきてキロ5くらいじゃね?
それは無理.
心が折れかける.

なんだよもぅ,ちょっとイラつきながらセブン到着.
残る補給がようかん2本(どこかで1本食べた)と水量不明の水しかないので,残り13kmくらいにびびってたくさん買う.
まずポカリ900ml買ってフラスクに入れて残りは飲む.
チョココロネパンを食べておにぎり2つリュックへ.
結局これはいらなかったが…
まぁ準備万端.

ちなみに屏風山はスキップ.
ロードで湯坂路入り口まで行って,そこから鷹巣山へ.

ロードはまだ暗くない.
意外と自分も速すぎないペースなら走れる.
国道1号最高地点まで結構登るけど,歩きも交えてここは別につらくなかった.

途中42.195kmを超える.
自分にとって初のウルトラ.
ちなみの他の4人は皆100kmとか経験済み.

最後のトイレ行って,トレイルへ.
まだ真っ暗ではないもののさすがにライトつけたが,Mさん以外初のナイトトレイル.
扱いに慣れてない.

自分も借り物のライト,milestoneのMS-G1.
使い方は理解したつもりだったけど,足元を照らすためにカチっと下げられることが分かってなかった.
それ以外も皆さん四苦八苦.
やっぱり最初はそうなるよね…てか44km移動した日にやることじゃないよね…

まだまだ元気があって早く帰りたいEさんが飛ばしがち.
Aさんが遅れそうになり,一旦集まって落ち着きを取り戻し,皆で移動.

もう登りはないらしい.
ちょっと安心する.

そのうち本当に真っ暗に.
足元を見ていると気にならないけど,ふと横を見ると暗黒すぎてびびる.
と同時にグレートレースみたいのを自分がやってる面白さみたいのもある.

Eさんが一番後ろは怖い,というので,代わることに.
おぉ,ほんとに怖い.
まず後ろから照らしてくれないのでちょっと暗い.
それと背後に闇を感じて,いわゆる獣やお化けが怖い的に怖い.

と言ってもまぁそれほど嫌でもなかったけど,ずっと先頭と引いてくれていたMさんと交代してみる.
一番前のほうが楽,というか楽しい.
ゆるやかな下りが多く,変にブレーキかけずスタスタ行ってたら速い!と何度も言われる.
それが一番楽だったんだけど,こんな終盤まで自分が走れることに驚き.
あれか,ヤマケンのいう野生の自分の1%くらいか.
しかしまー,ほんと完走できるにしても最後は歩き通すとかかと思っていた.

いよいよゴールか?と思ってからがまた結構長かったけど,街頭が見えて温泉のにおいがしてきて車の音が聞こえてきてGarminも50kmになって,ようやくロードに戻ってきた.
いやー,安心感.
湯本駅まで500mくらい移動して,ゴール!

レストハウスでのGarmin君は21時半くらい到着見込みだったけど,セブンからはロードと下りで一気に進めたおかげで19:50くらいに着くことができた.
合計12時間半.
いやー,長い.
まぁ休憩と写真撮影が長いからな.

20時16分の電車に乗りたい,ということで,着替える人は着替えて,急いで写真の共有.
自分はTシャツだけ着替えた.

自販機でコーヒー牛乳を買い,あっという間に飲み干す.
新幹線でおにぎり2つ.
Eさんが「これなら筋肉痛こないと思う」って言ってたけど,マジか,もう1周しろ.
意外と21時半くらいに帰宅,思ったより早く着いた.

まとめると,体調良かったとはいえロング耐性のない自分が意外と50kmいけたというかよく最後走れたな,と.
段階ふんでチャレンジしがちな自分にとって珍しく一足飛びでやり遂げちゃった感.
経験者で道案内や写真撮影などしてくれたMさんを始め,ずっとポジティブだった皆さんのおかげ.
茶屋などの方々にも助けられた.
装備も良かった.
曇りと雨だからサングラスや日焼け止めはいいや,って朝判断したけど,そういうのが大事だったと思う.

しかし100マイルはこれを3周以上するわけで,それはマジで無理だと実感.
意味がわからん.
ハセツネくらいの距離ならちゃんと練習して時間たっぷり使えばいけなくもない気がしなくもない…
ナイトトレイルは結構楽しかったし.

まぁとにかく人生において貴重な経験となった.